信用取引とは? その② 追証について

こんにちは!証券兄さんです。

前回は信用取引の本当に基本的な部分について書いていきました。今回は信用取引で注意しなくてはいけない「追証」について詳しく書いていきたいと思います。

 

追証(おいしょう)とは?

 

最低限必要な信用取引の知識では、30万を担保にした場合、その約3倍程まで運用額を拡大できると書きました。しかしながら、よくよくく考えると、不思議に感じるところがありますよね。

 

たとえば、30万の委託保証金を入れて、90万を運用するとします。

仮に思うように行かず、90万で買った株が値下がりし、60万の価値になったとします。

この場合、すでに30万の損失が出ている状態なので、担保を入れなければお金を借りれないはずが、担保なしで60万を借りていることと同じになってしまいます。(損失はその都度保証金から削られていくと思ってください。)

 

こうなると、証券会社からすると、非常に困るわけです。

 

もしこの状況でさらに株価が暴落して、50万になったとすると、損失は40万になってしまいます。すると、最初に入れてもらっていた30万を超えますので、10万円分を証券会社が肩代わりしないといけなくなります。

 

こんなことが起こるリスクがあると、証券会社にとっては、ものすごく先行きが不安になります。

そういう状況を未然に防ぐために、信用取引では、委託保証金維持率というものが、あらかじめ決められています。

これも証券会社によって違いますが、だいたい25%から30%くらいになっています。つまり、担保は必ず委託保証金の維持率を維持しなければなりません。

 

たとえば、委託保証金率:33%委託保証金維持率:30%の証券会社があるとします。

この場合、33万を証券会社に担保として入れれば、100万まで運用額を増やすことができます。

 

しかし、維持率は30%なので、絶対に運用額の30%を切ってはいけません。もし、初めに買った株が100万から値下がりして、95万になったとします。

この時点で5万の評価損なので、はじめに入れた保証金の33万は5万少なくなって、28万と換算されます。

すると、運用額95万に対して保証金28万なので、委託保証金率は、28万÷95万=29.4%になります。

 

こうなると、証券会社は委託保証金維持率である30%を回復するまでのお金を、新たに保証金としてお客さんに入れてもらわなければなりません。

これを追加保証金(追証)と言います。

 

また、今まで説明してきた委託保証金ですが、実は、これの代わりに株を担保にすることも可能です。これを代用有価証券と言います。

ただし、お金とは違い、株なので、たとえ100万相当の株を代用有価証券として、担保に入れたとしても、それがそのまま100万の価値と評価されるわけではありません。

これの何%を担保価値とするかは、証券会社によって違いますが、たとえば、エイチ・エス証券の場合は、代用有価証券は前日終値の80%の評価で担保価値としています。

つまり、前日終値で100万の価値がある株の場合は、担保として80万を入れたことと同じ扱いになります。

 

しかし、代用有価証券が委託保証金と違うのは、担保に入れた株の価値が毎日変化するので、担保価値が毎日変わると言う事です。

もし、代用有価証券が暴落すると、信用取引で買っていた銘柄が値下がりしていなくても、委託保証金維持率を割り込んで追証が発生します。

 

また、ごくまれにですが、この「代用有価証券の前日終値の80%で評価する」、というところが変更されることがあります。

 

たとえば、2006年の話ですが、ライブドアショックで信用が著しく低下したライブドア関連株は、マネックス証券によって担保価値を70%から一挙に0%に下げられました。

これは、ライブドア関連株は担保として認めないということになります。

 

こうなるとライブドア株を代用有価証券として、信用取引をしていた人全員に、一気に巨額の追証が発生します。そうすると、言われた通り追証を入れるか、信用買いしている銘柄を売って運用額をなくすしかありません。

どちらにしても、保有銘柄を売るという行為を誘発しますので、マネックス証券がこの決断をした2006年1月18日は、恐ろしいほどの前面的な下げでした!

 

これはめったに無いことで、信用取引をやらなければそんなに関係ないかもしれませんが、一応そんなこともあるんだなと思っておいてください。

そういう決断をした証券会社があったら、相場が前面的に下落するかも、
と判断する手がかりの一つになるかもしれません。

 

信用取引の追証 具体例

 

ケース1:評価損が生じて追証になる場合

ケース1:評価損が生じて追証になる場合

  • 保証金現金:100万円
  • 建玉可能額:約333万円(委託保証金維持率30%、最低保証金維持率25%)
  • A社株を300万円で1株信用新規買建てを行ったが、その後A社の株価が下落し270万円になった。

ケース1は、信用建玉評価損は-30万円。したがって保証金は70万円(100万円-30万円)の価値となり、維持率は70万円÷300万円=23.3%となる。最低保証金維持率は25%なので追証が発生します。
委託保証金維持率は30%なので、追証金額は300万円×6.7%(30%-23.3%)=20万1千円となります。

 

 

ケース2:代用有価証券が値下がりして追証になる場合

ケース2:代用有価証券が値下がりして追証になる場合

  • 保証金代用評価100万円(保証金代用証券株価:125万円)
  • 建玉可能額:約333万円(委託保証金維持率30%、最低保証金維持率25%)
  • 時価125万円のB社株を保証金代用として差し入れ、A社株を300万円で1株信用新規買建てを行ったが、保証金代用証券であるB社株が90万まで下がった。

ケース2は、保証金代用証券の掛け目は80%なので、新規建て当初の委託保証金は100万円(125万円×0.8)でした。

その後、B社株が値下がり90万円となったため、保証金代用評価は72万円(90万円×0.8)となり、維持率は72万円÷300万円=24%となります。

最低保証金維持率は25%なので追証が発生します。委託保証金維持率は30%なので、追証金額は300万円×6%(30%-24%)=18万円となります。

※なお代用掛目は原則80%ですが、銘柄ごとに個別の代用掛目が設定されることがあります。

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。信用取引の追証については非常に難しいものがあります。上記の例を参考にして、だいたい値下がりするとどれくらいの追加資金が必要なのかを確認してみてください。

難しいですが投資のチャンスを倍以上に増やす手法です。積極的に取引したい方はしっかり覚えましょう。

 

 

今回も読んでいただきありがとうございました。疑問点や質問等がありましたらご意見下さい。次回もよろしくお願いします!

 

 

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