こんにちは!証券兄さんです。
本日、10月6日は「石油の日」と呼ばれているそうです。1973年に第一次オイルショックが起きたことに因んで、制定されたそうです。
最近ではあまり話題にならなくなってしまった石油について、今回まとめていきたいと思います。
そもそも石油とは?
石油、石油と簡単にいっていますが実際はどのようにできるのでしょうか?
石油のもとは、ケロジェンとよばれるもので、これは、大昔のプランクトンの死がいの中に入っていたものだと考えられています。
プランクトンとは、海の中にいる小さな生物のことですが、このプランクトンが死ぬと、死がいは、土や砂といっしょに海の底に少しずつ積み重なっていきます。
そして、プランクトンの死がいは、しだいに土の中の深いところにうもれていくわけです。
その後、死がいは、あるとき、土の中にいるバクテリアと地下の熱の働きで、「石油」に変わったのです。
石油はどんなところで利用されるのか?
では、石油化学によって石油製品から作り出されているものにはどのようなものがあるのでしょうか?
プラスチック
プラスチックは、石油化学によって生み出された素材として有名です。
プラスチックが開発されるまでは木や竹やゴムなどの植物由来の素材か、金属由来の素材しか選択肢が無かったのですが、プラスチックが開発されてから選択肢が増加し大いに工業が発展するための契機を生み出しました。
合成ゴム
ゴムは、熱帯地方に自生するゴムノキの樹液を加工して作られるものですがその需要の高さは、既に天然のゴム資源だけでは賄いきれるものではありません。
そのため、石油製品を加工することで天然ゴムと同じ性質を持つ人工樹脂を生み出したのです。
アスファルト
アスファルトは、石器時代から人類によって使用されてきた天然の接着剤です。
当時は黒曜石で作った鏃を矢に固定するために使用されていたといわれています。
アスファルトもまた石油化学の産物として、重油から抽出され道路舗装などに使われています。
食品関連
人体を構成するたんぱく質は、窒素・酸素・水素・炭素の組み合わせによって成り立っています。
体を動かすためのエネルギー源になる炭水化物も炭素・水素・酸素の組み合わせで成り立っています。
石油もまたこれらの元素の組み合わせによって成り立っています。そのため、かつては石油を原料とした食品や調味料の開発が行われていました。
化粧品
化粧の歴史は、クレオパトラやシバの女王などの歴史上の人物などに見ることが出来ます。
化粧は女性を美しく飾るための方法として、様々な天然材料で作られてきました。現代の化粧品の大半は、石油由来の成分で作られています。
液化石油ガス
私たちが料理やお風呂を沸かすときに使用するガスも、石油から作られています。
油田から原油とともに採取される天然ガスや、原油を原料にして作られるプロパンガスなど、熱源としてのガスには石油が絡んでいます。
石油の今後と現状
2015年12月採択されたにCOP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)のパリ協定で、先進諸国は石油などの化石燃料の消費を2050年には現状から80%の削減が求められることになりました。
だが、石油消費を減らす力学は実は環境制約にとどまりません。
IEA(国際エネルギー機構)が2016年11月に発表した「世界エネルギー展望(World Energy Outlook)2016」(WEO 2016)は、数年後には石油生産能力が減退し始め、これまで世界の経済発展を支えてきた安価な原油の供給は、2050年には現状から80%程度減少することを示唆しています。
こちらは原油の資源制約に由来する石油消費削減要求と言えるでしょう。
過去、IEAが石油供給の限界を明示したことはありませんでした。
その意味で、WEO 2016が石油の供給力減退を警告したこと自体、歴史的な出来事と言っていいかもしれません。
WEO 2016には2025年までの短期的な石油生産量の予測が示されています(図1)。
この図には2019年ころから石油生産が減少する様子がはっきりと示されています。
つまり、2019年ころが石油生産のピークと見ているわけであります。
WEO 2016には「今後、新しい原油開発計画が進められなければ、2025年には日量で1590万バレル不足することになる」と明記されています。
IEAはこのままでは新規の原油開発が進展しないと判断したため、あえて図1のような予測を提示したのではないでしょうか。
独立系石油商社大手ビトルのイアン・テイラー最高経営責任者(CEO)は5日、世界的に電気自動車(EV)への移行と化石燃料離れが加速していることから、石油業界が衰退していくとの見方を示しました。
英シンクタンク王立国際問題研究所がロンドンで開催したイベントでの発言です。
テイラー氏はまた、石油需要が2028─30年ごろにピークを迎えるとみていると述べました。
同氏は「業界は縮小期に向かっている。われわれの居場所はどこにあるのかと考えると、夜も眠れない」と語り、ハイテク新興企業で働く方を選択する有能な若者を引き付けられないのではないかと心配だと付け加えました。
石油業界にとってより切迫した懸念は原油安だ。市場はバランスを取り戻しつつある兆候を示していますが、テイラー氏は米国の原油輸出増が来年改めて圧力となるとしつつ、今後2─3年で原油価格が1バレル60─65ドルに回復するとの見通しを示しました。
証券兄さんが考えるに石油は今後技術の進歩とともにその価値は小さくなっていくと思います。
例えば核融合が実用可能になれば、エネルギー面での利用はなくなりますし化学繊維も他の有機物からの合成が可能になると思います。
ですが、1バレル8ドル程度の採掘料に対して価格が50ドルなので、すでに石油は金融商品としての側面が強いといえるでしょう。
とはいえ石油は長期的な投資対象としては難しいと証券兄さんは思います。石油の日に何ですが…
あくまでご参考までに。
今回も読んでいただきありがとうございました。疑問点や質問等がありましたらご意見下さい。次回もよろしくお願いします!