【残業代がさらに減る?】 「働き方改革」+「消費税10%」= 2020年の景気腰折れに?

こんにちは!証券兄さんです。

3月も最終週になり、今年は桜の開花も例年になく早い、あるいは、早かった地域が多いようです。他方、桜前線北上のスピードと対照的に、遅々として進まないのが安倍政権の肝入政策の1つである「働き方改革」に関する国会審議です。

これは一連の“森友疑惑”の混迷により、国会における証人喚問や野党の審議拒否などで大幅に遅れたことが原因です。先日の証人喚問実施後、まずは2018年度の予算成立が最優先されるため、働き方改革関連法案の成立はまだ先になるという見方が支配的です。一体、いつになるのでしょうか。

 

個人消費は“風前の灯火”

 

 国会の審議空転とは関係なく、各業種や各企業では春闘が終盤を迎えており、主要企業では既に終結しています。今春闘の最大の焦点の1つだった残業時間規制に関しては、法案成立を先取りするような形で労使間の妥結になった企業も少なくありません。

 「働き方改革」が浸透することに伴い、生産性が改善して、無駄な残業時間やいわゆるサービス残業がなくなることは、労使両者にとって良いことであることは確かです。

 

 しかしながら、「働き方改革」の浸透に伴って心配されるのが、個人消費への影響です。端的に言えば、毎月の残業代が大幅に減ることが予想されるため、それがそのまま可処分所得の減少となって個人消費が停滞するのではないかという懸念が拭えません。

 そもそも、GDPに占める個人消費の寄与度を見ると、2015年度は+0.2%、2016年度は+0.3%の若干のプラスに止まるなど、アベノミクス始動当初の勢いは全く見られていません。この最大要因と見られるのが2014年4月に実施した消費増税であり、実際に2014年度は▲1.5%の大幅マイナス寄与となりました。

 

 こうした状況を鑑みると、残業代の減少は大きなマイナス要因になりかねないと思われます。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2017年の1人当たり1カ月間の平均残業代は19,560円です。

 今後審議される見込みの、政府が検討する罰則付きの残業上限規制(年間720時間以内など)により、仮に残業時間が毎月60時間に抑えられた場合、残業代が大幅減少することは間違いないと言えましょう。

 実際、複数の民間シンクタンクの試算によれば、年間の残業代が約5兆円から8兆5,000億円減少するとされています。試算結果にはやや幅がありますが、これだけ残業代が減って、個人消費に影響が出ないとは考え難いものがあります。

 

 こうして考えると、働き方改革による生産性向上は残業代の減少につながり、月々の個人消費に少なからず影響を与えると考えるのが自然ではないでしょうか。特に、まだ基本給が高くない若年層にそうした消費行動が出てくると予想されます。

 それ以上に懸念が残るのが、2019年度後半以降です。このまま、1年半後の2019年10月に消費増税(現在の8%を10%へ)を行って、本当に景気の腰折れは回避できるのか、注目が必要そうです。

 

あくまでご参考までに。

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