こんにちは!証券兄さんです。
先週、先々週から北朝鮮に関しては市場に与えるリスクについてのみ強調してきました。
この情勢の中で利益を出すなら、医薬品系などのディフェンシブ銘柄ぐらいしかないと考えていましたが、今回様々なニュースを読み解くうちに儲けの新公式とでも呼べるようなものを発見したのでご紹介したいと思います。
最初に言ってしまいます。
戦争や核兵器の緊張感が高まったら、タングステン関連に投資!
実際にどういうことなのかについてまとめていきたいと思います。
当たり前だが見落としていた事実
西欧諸国の経済と防衛にとって最も重要な原材料の一つである金属の価格が、他の主要商品を上回るペースで高騰している。
弾道ミサイルや工具のドリルビットなどに利用されるタングステンの価格は、主要生産国である中国での供給減少懸念が強まる中、過去2カ月間に50%余り上昇している。中国はタングステンの生産の約80%を占める。中国当局は環境汚染につながっている鉱山を取り締まり、生産割り当てを設定している。

アーガス・コンサルティング(メタルズ)のシニアマネジャー、マーク・セドン氏は「中国はタングステンの生産を管理しようとしている。割り当て分以外の生産を取り締まるため環境政策を利用している」と指摘する。
メタル・ブレティンによると、欧州ではタングステン価格が7月初め以降52%上げ、上昇率はブルームバーグ商品指数を構成する22品目全てを上回っている。
というニュースが発表されました。北朝鮮にこれ以上核ミサイルなどを作らせないように原料の輸入を制限しようとしているのですね。
当たり前ですが、市場に出る量が少なくなる→価格が高騰します。
今の世界情勢は、非常に不安定と言っていいですがすぐに戦争になったりしません。
それは、各国の政治家の方々が日夜努力してくれているためです。
だれも多くの死者が出る戦争など望んではいないのです。
しかしながら、綺麗事ばかりで国の運営は務まりません。現に今現在、北朝鮮の度重なるミサイル発射により経済制裁を行う!という段階に来ています。
武力を用いないで相手国に影響を与えるにはどのようにしたらいいのでしょうか。
ポイントを考えると、
①食料を抑える
②資源を抑える
③人の出入りを抑える
といったところでしょう。特に日本は①と②をやられてしまうと影響が大きいのではないかと思います。
そもそも、今回の発端を考えると「北朝鮮にこれ以上ミサイルを撃たせない」ことが重要なポイントです。
そのためにはミサイルの材料となる資源を与えなければいい。
単純ですが、非常に効果的ですし食料を抑えたりするより人道的に理に叶っています。
しかしながら、こんな当たり前なことについて予想する証券会社のアナリストは調べた限りいませんでした。
また、証券兄さんが会社にいたころにこんな話は出たことがありませんでした。
繰り返しになりますが、市場に出る量が少なくなる→価格が高騰します。
このように、世界情勢からある程度予測が可能な場合は大きな投資のチャンスです。しっかりとものにしたいですね。
そもそもタングステンって何?
タングステン(Tungsten)とは、スウェーデン語で「重い石」という意味。元素記号のWはドイツ語 のWOLFRAM(ウォルフラム)にちなんでいます。
タングステンの融点は金属の中で最も高い摂氏3,380℃で、沸点は摂氏5,000℃を超えます。
比重は19.3と金とほぼ同じで、鉄の約2.5倍、よく金メッキの詐欺でも話題になったりします。
希少金属のひとつです。この熱に強いという性質を利用して、身近なものでは電球のフィラメントや電子レンジのマグネトロンに、また硬くて強いという性質を利用して、コピー機や空気清浄機に入っているコロナ放電線などに使われています。
また、炭素とくっつくと非常に硬く、モース硬度ではダイヤモンドの「10」に次ぐ「9」にランクされます。
要するに、熱に強く・とても固く・重い金属なのです。
日常の様々なことにも役立てられますが、やはり兵器に使うのにもってこいの金属でしょう。
兵器は基本的に、熱や衝撃を生み出すものなのでそれに耐えるものでないと運用できないからです。
つまり、北朝鮮に対する輸入制限だけでなくけん制のために軍事演習を行うだけで、タングステンは使われます。
それは需要が拡大するということであり、価格が高騰するということです。
だから、証券兄さんは
戦争や核兵器の緊張感が高まったら、タングステン関連に投資!
と言うのです。
守るためにも…
ちなみに、タングステンには放射能を遮断するように加工することが出来ます。
つまり核シェルターの材料としても非常に優秀なのです。
北朝鮮が核ミサイルの開発を進め、日本に危機が迫っていることから、「核シェルター」の問い合わせが増えています。
朝日新聞(5月13日付)によると、家庭用核シェルターを販売する「シェルター」(大阪府羽曳野市)は、ここ55年間で10台程度の販売にとどまっていた放射性物質などを除去する空気清浄機を、今年は3月から4月だけで10台販売したとのこと。
※核シェルターの一例です。
つまるところ、守るための施設を作るためにもタングステンが使われるということです。ますます需要が拡大していきますね。
まとめると、
・核兵器を作らせないために供給量の減少
・軍事行動による需要の拡大
・防衛施設の建設による需要の拡大
だからこそ、
戦争や核兵器の緊張感が高まったら、タングステン関連に投資!
という言葉に集約されるのです。
タングステン関連銘柄
実際にどのような企業があるのでしょうか、一例をご紹介したいと思います。
日本タングステン(株) 〈6998〉
日本タングステン株式会社(にっぽんタングステン、英字:Nippon Tungsten Co., Ltd.)は、福岡県福岡市博多区に本社を置く、タングステン・モリブデン、およびファインセラミックスの精製加工会社。タングステンを放射線遮断化する加工技術を持ちます。
株価:288円 2017/09/11
PER:15.39倍
PBR:0.77倍
配当利回り:1.74%
参照:yahooファイナンス
核シェルター需要の拡大で一気に株価が上昇しました。不安定な状況が続けば続くほど注文は増える見込み。
仮に政府が一定の数核シェルターを配備するとなれば、一気に業績が伸びると考えられます。
PBRも0.77倍と良好な企業で、同業他社が少ないことも魅力的です。
双日(株) 〈2768〉
双日株式会社(そうじつ、英称:Sojitz Corporation)は、日本の総合商社です。合金鉄・レアメタル事業では日本企業トップクラスであり、鉄鋼原料用途などのモリブデン、バナジウム、タングステン、マンガン、クロム、ニッケル、ニオブなどの国家備蓄対象に多くの権益を保有しています。
株価:295円 2017/09/11
PER:7.38倍
PBR:0.65倍
配当利回り:3.39%
参照:yahooファイナンス
レアメタルに非常に強い会社です。PBR、配当利回りは商社の水準から言えば普通と言えるところです。
双日株式会社は、特定目的会社(SPC)の双日タングステンリソーシズ(本社:カナダ ブリティッシュ・コロンビア州、Sojitz Tungsten Resources, Inc.、双日100%出資)を通じて、カナダ・トロントベンチャー証券市場(TSX-V)に上場しているタングステン精鉱会社のプライマリーメタルズ社 (本社:カナダ ブリティッシュ・コロンビア州、Primary Metals Inc.)に対して、双日として初めてとなる友好的な株式公開買付け(TOB)を実施しました。
TOBの応募は2007年10月2日17時(トロント時間)に締め切られ、成立要件の66.67%を大幅に超える約90.08%の株式 (TOB価格:一株あたり3.65カナダドル)の応募を得て、95.34%の株式取得によるTOBが成立しました。残り約4.66%の少数株式は2007 年12月までに強制取得し、総額64億円で100%の株式を取得します。
プライマリーメタルズ社は、子会社を通じてポルトガルで100年以上にわたって操業しているパナスケイラ鉱山を保有しており、年間約 1100トン(110,000MTU)のタングステン精鉱を生産しています。双日の調査ではパナスケイラ鉱山は20年以上の埋蔵量が確認されていますが、 今後さらなる探鉱を行うことで大幅に操業期間を延ばすことができる見通しです。
自社で、タングステン鉱山を持っているのが非常に大きいです。タングステンは基本的に商品先物などができません。
なので、金属自体に価値を見出すなら主に取り扱っている商社に投資するのがベストかと思います。
まとめ
最近の地政学リスク~やミサイル危機~など、どうしてもリスク面しか情報を提供できていませんでした。
今回の、
戦争や核兵器の緊張感が高まったら、タングステン関連に投資!
は、兵器事情や金属事情が変わるまで有効なことだと思いますので、ぜひともご一考してみてください。
あくまでご参考までに。
今回も読んでいただきありがとうございました。疑問点や質問等がありましたらご意見下さい。次回もよろしくお願いします!