株の豆知識 その⑨ 日本と米国 株式市場の違い

こんにちは!証券兄さんです。

今回の豆知識は、前回のつづきで米国株に関して書いていきたいと思います。前回は、日本と米国の成り立ちの違いに関して書きましたが、今回はそれぞれの株式市場の違いについて書いていきます。

 

株式市場の違い

 

日本株式市場は米国の制度を参考にしながらも、独自の発展を遂げており、現在は市場構造や取引手法について相違点が多くみられます。

日本では制度改正等の際に米国を参考にすることが少なくないですが、その際、両国間にどのような相違があるのか理解しておくことが、特に米国株を投資る上で重要となります。

 

1:証券取引所 株式の売買を行う取引所の違い

日本:金融商品取引法に基づき、内閣総理大臣の免許を受けた金融商品取引所です。日本には全部で4つの取引所があります。(東京、名古屋、福岡、札幌)

米国:証券取引法に基づき、証券取引委員会の登録を受けた国法証券取引所といいます。全部で13取引所になります。(ニューヨーク証券取引所、ナスダック市場など)

 

2:店頭取引 投資家や証券会社が取引所を介さずに売買する取引

日本:全取引の1割にも満たない数です。非上場株式について証券会社が投資家に投資勧誘を行うことは、原則禁止となっており親族間での取引や従業員間などの特例のみです。

米国:3分の1以上が店頭取引になります。特に日本人が米国株を買う場合も店頭取引になります。非上場株式についてはFINRA(Financial Industry Regulatory Authority)が運営する「OTCBB」で非上場銘柄を専門に取り扱います。また、OTC Market Group, Inc.が運営する「OTC Link」で非上場株式の売買だけでなく、上場株式も取引されています。
3:米国の非上場証券取引特権 

国法証券取引所であれば、他の国法証券取引所に上場している証券を自らが審査しなくても取扱うことができる制度

米国において主要企業が上場するのは、ニューヨーク証券取引所とナスダックの2つです。ただし、この2つの市場での株式の売買は、必ずしも上場しているそれぞれの証券取引所のみで行われているわけではありません。
ようするに、登録を受けた国法証券取引所であれば、どこでも売買可能なのです。残念ながら、この制度は日本にはありません。日本では現在、上場先でしかその株式は売買できないのです(店頭取引を除く)。

 

4 全米証券市場システム(NMS)
NMS:アメリカの主要株式市場を緩やかに連結し、各市場間での競争を喚起するためのもの。そして、より効率的な株式市場を目指すという仕組みの総称。

具体的には、複数の市場が提示している気配の中で、より良い気配を表示している市場に注文を回送する仕組みです。同じ銘柄でも、どこの市場で一番安いかがわかるようになっています。

 

 日本では市場が全て独立しているに対し、米国では複数の市場が接続され、
投資家側から見れば、1つの市場のように機能しているのです。

日本は、例えば東証に株式の発注をした場合、その注文は東証の中でのみ有効。アメリカでは、ナスダックで上場している銘柄でもニューヨーク証券取引所で取引することも可能です。)
5:取引手法 売買価格の決定方法

日本:オークション方式のみ
米国:オークション方式とマーケット・メイク方式の二つがある(市場ごとに異なる)

マーケット・メイク方式とは、
取引所より資格を得たマーケットメイカーが、常時「売り気配」と「買い気配」を提示し、最良気配を出しているマーケットメイカーの間で相対取引を行うこと。
オークション取引のように投資家と投資家が市場内で直接売買をすることはなく、全ての取引はマーケットメイカーとの間で行われる。

 

(例:日本の場合

投資家A・銘柄Xを売りたい→売買成立←銘柄Xを買いたい・投資家B

アメリカの場合

投資家A・銘柄Xを売りたい→マーケットメイカーC売買成立マーケットメイカーD←銘柄Xを買いたい・投資家B )

 

 

まとめると、日本は取引執行が東京証券取引所に集中しているのに対し、米国では国法証券取引所や店頭市場(ATSを含む)に広く分裂しています。一方、非上場証券取引特権が認められていることやNMS(National Market System)により、分散している市場が1つの市場のように機能していることが特徴的です。

日本と異なり、米国はスペシャリストやマーケット・メイカーといった流動性供給者が存在するのが特徴的です。流動性が供給されることは市場参加者にとっては良いことですが、メイカー・テイカー手数料の存在が価格形成を歪めている可能性など、問題も指摘されています。

 

 

 

このように日本とアメリカでは大きな違いがあります。そのため同じようなニュースや材料が出ても、同じ動きをするとは言えません。日本株を扱うときと米国株を扱うときで投資のタイミングや判断を変えるように注意しましょう。

 

 

 

 

 

まとめ

・日本と米国の株式取引では大きな相違点は以下の5つ

1 証券取引所
2 店頭取引
3 非上場証券取引特権
4 全米証券市場システム(NMS)
5 取引手法

・同じようなニュースや材料が出ても、動きは異なるのでそれぞれにあった手法を考える必要があります

 

 

今回も読んでいただきありがとうございました。疑問点や質問等がありましたらご意見下さい。次回もよろしくお願いします!

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。