こんにちは!証券兄さんです。
前回、前々回と株価が変動する要因について書いて参りました。今回で大まかな要素はラストになります。どういったものがあるか、頭の片隅に入れておいてください。
アメリカ市場との関連性
米国株について基本的なことについては、他の記事で紹介していますのでチェックしてくださいね。米国株の指数の中で、「NYダウ」とは、アメリカの世界を代表するさまざまな業種の代表的な30銘柄から平均株価をリアルタイムで算出した指数。日本では「ダウ平均」、「NYダウ」、「ダウ工業株30種」などと呼ばれています。
「NYダウ」の特徴は、30銘柄のみで構成されています。一方、日経平均株価の構成銘柄は225銘柄ですから、いかに銘柄が少ないかが分かります。構成銘柄は、コカ・コーラの製造、販売を行う「コカコーラ」や、ANAやJAL向けに飛行機の製造を担っている「ボーイング」、ディズニーや、くまのプーさん、アナと雪の女王などの映画製作を手がける「ウォルト ディズニー」、などアメリカを代表する世界の名だたる企業が軒を連ねています。
また、ニューヨーク証券取引全体の時価総額は日本の東証1部全体の約4倍の時価総額を誇っており、日本円に換算した場合約1973兆円を誇っています。さらにそのうちの30銘柄で構成されている「NYダウ」の時価総額も、日本の東証1部全構成1817銘柄の時価総額は456 兆円(14年8月1日時点)を上回ると言われていますので、いかにアメリカの影響力が大きいかが分かります。
このような巨大企業が名を連ねるアメリカの「NYダウ」は、日本を含め世界中の株価に影響を与えています。ニューヨーク証券取引所の取引終了時間は日本時間の朝6時。つまり、「NYダウ」の影響がそのまま日本の株価にも影響されるわけです。テレビ東京が映る方は、朝5時45分からの「モーニングサテライト」を見て、その日の経済ニュースと共にチェックしましょう。
まとめ
・ニューヨークダウは、日本も含め世界中の市場に影響を与える株価指数
・世界を代表する30銘柄で算出(コカコーラ、ボーイング、ウォルト ディズニーなど)
株式分割とは
株式分割とは、1株をいくつかに分割を行い発行済み株式総数を増やすことです。株式分割を行うと株数が増えますがその反面、分割を行った割合に応じて株価は下落していきます。
このため、時価総額が同じ場合、株価は株式分割を行った割合に応じて下落していきます。たとえば、株式分割の割合が1:2の場合は2分の1へ、1:4の場合は4分の1へと下落していくのです。
具体的な数字を出すと、1万株の銘柄Aの値段が1株100円だとします。すべての株を買うと100万円で、これが会社の価値です。
1:2の割合で株式分割をすることになりました。1万株が2万株になります。ただ株の数が増えただけで会社の価値は変わりません。2万株×新しい株価=100万円です。新しい株価は100円の半分の50円となります。これが株式分割です。
この株式分割の権利取りを行うためには権利確定日の最終日の3営業日前までに株式を購入する必要があります。
このカレンダー場合、30日の権利確定日の4営業日前(土曜日と日曜日は祝日のためカウントしません)にあたる24日(木)が権利取り日となります。つまり分割の権利が欲しい場合、24日までに購入する必要があります。今回の権利落ち日は、25日(金)となります。これが権利取りの行使の仕方です。
ただし、この株式分割の発表が行われた場合短期的には、乱高下するケースも多くありあります。その理由は、分割の権利取りです。たとえば、6月1日に株式分割を行うと会社側が発表したとします。分割の基準日を定めた場合、人気株などはこの分割の権利取りを材料に株価を上昇させる要因となる場合もあります。
この事例にあてはまるのがミクシィ(2121)です。ミクシィはソーシャルネットの「ミクシィ」を主事業としていましたが、業績が悪化。そのため、業態転換を行うためスマホゲームの「モンスターストライク(モンスト)」を2013年10月ごろにテレビコマーシャルで宣伝したところ、人気が爆発。市場の注目の高まりを背景に、株価が急騰しました。
このミクシィが、14年5月14日に株式分割を発表。14年6月30日時点の株主に対して1:5の株式分割発表時点の終値株価5850円から権利取りの最終日である14年6月26日終値には約3倍に相当する1万7960円まで上昇し大相場を形成しました。このように株式分割は理論上、分割の配分に応じて下落するのが普通ですが、ミクシィの事例のような例外もあります。
まとめ
・株式分割をした割合に応じて株価は下落する
・1株を細かく分割すること(1:2、1:4など)
自己株式の取得と消却
自己株式の取得とは、企業が一度発行した株式を市場から買い戻すことをいいます。自己株式の取得や消却を行うことのメリットとして、株主側は流通する株式が減少することから需給が改善され株価の上昇につながります。これを一般的に自社株買いと言われています。
先ほどの例ですと、1万株の銘柄Aの値段が100円だとします。会社の価値は100万円です。自社株買いを行い、流通している株が5千株になったとしましょう。会社の価値は100万円のままなので、5千株×新しい株価=100万円で、新しい株価は200円になります。投資家としては株価が上がるので非常に嬉しいです。
この自社株買いこそがアメリカ市場が大きくなり続けている理由なのです!
上の例で、自社株買いをすることで株価が上がることがわかります。アメリカの企業は積極的に自社株買いを行っています。
自社株買いをする→株価が上がる→投資家がさらに買う→株価がさらに上がる→会社の資産(価値)が増える→事業を拡大する→収益が上がる→自社株買いをする→…
一般的に企業の取得する自己株の取得比率が、発行株式総数の3%を超える株数を取得すると発表した場合、株価へのインパクトがあると言われています。企業によっては、10%を超える大型の自己株取得などを実施するケースもあり、需給が改善され株価は大きく上昇するケースもあります。
また、会社側にとって、自己株式の取得・消却を実施ことは企業側にとってもメリットが大きいです。主な理由はこの自社株の取得により株価は上昇しますので、M&A対策にもつながります。買収側にとって株価が高いと取得額が膨らむので、株価の高い企業はそれだけ買収防衛も図っていると言えます。
自己株取得は、株主側にとって株価の上昇になるメリットがあり、企業側にとっては株主対策を行っているアピールになるのと、M&A対策にもつながることから、多くの企業で注目を集めています。
まとめ
・会社が市場に流通している株式を購入すること
・市場に流通している株式が減るので株価は上昇する
今回も読んでいただきありがとうございました。疑問点や質問等がありましたらご意見下さい。次回もよろしくお願いします!